核シェルターの構造・内部を徹底解説!気になるトイレは?

構造


2018年6月12日シンガポールで米朝首脳会談が開催されました。結果朝鮮半島の非核化へと一歩前進したように見えますが未だ北朝鮮からの核の脅威は解消したわけではなく安心は出来ません。核攻撃から身を守る手段は核シェルターへの早めの避難以外ありません。
しかしながら、わが国では核シェルターに対する理解度はかなり低いのが現状です。そこで核シェルターの基本的な構造について説明します。

そもそも「核シェルター」には設置場所に応じて、次のような種類があります。

設置場所核シェルターの種類
室内エアコン型核シェルター
室内カプセル型核シェルター
室内テント型核シェルター
屋外コンクリートボックス型核シェルター
地下地下埋設型シェルター

それぞれの核シェルターについて、その構造や内部の様子、そして皆さんが気になるトイレについて、説明していきましょう。

エアコン型核シェルター

エアコン型核シェルターとは構造自体最も簡易型で、既存の部屋をそのまま利用する形になります。汚染された空気を特殊フィルターを介することで除染し、更に取り込んだ外気によって室内の空気圧を高め部屋の気密性を高める構造になっています。近年では日本の企業も製造・開発に力を入れていますが、このエアコン型換気装置はイスラエル製の商品が広く普及しています。

イスラエル製エアコン型核シェルター Rainbow36
画像元:https://kakushelter.com/shelter-product-information-2/air-filter-for-shelter/

ただし、このタイプは長期間の避難を想定しておらず、最も問題となるトイレは設置されていないので、簡易トイレを設置・使用する必要があります

簡易トイレとは災害時に使用されるものでタイプは様々です。一般的には画像のような組み立て型等を準備しておけばいいのではないでしょうか。緊急の場合は家にある段ボールにポリ袋などを入れて簡易トイレの代用とできますがいずれにしろ排泄物の処理をどうするのかは一番の難点になります。

簡易トイレ
画像元:https://sservice.co.jp/disaster/toilet/

爆発によって拡散される核汚染物質は49時間後には100分の1に、8日後には1000分の1に減少するのでその間の一時的な避難設備と捉えてください。

カプセル型核シェルター

屋外設置型の核シェルターです。敷地に余裕さえあれば個人で設置も可能です。
放射能等の汚染だけではなく細菌兵器にも対応できバイオテロにも安心です。このタイプを設置しておけば万全と言えます。

ただしトイレは常設ではないので簡易トイレを使用する必要があります。

収容人数は核攻撃を対象とした場合は4人迄となっているので一家族専用です。

カプセル型核シェルター
画像元:https://kakushelter.com/shelter-product-information-2/room-type-shelter/
WNISHELTER-S内装
画像元:https://kakushelter.com/shelter-product-information-2/room-type-shelter/

テント型核シェルター

持ち運び可能な核シェルターでスペースさえあれば屋内のどこにでも設置できます。ただし、別途簡易トイレを設置する必要があります。一時避難的な構造になりますのでその点は致し方ありません。
構造は簡単ですが、気密性が高くエアコン型核シェルターよりも安心できるのではないでしょうか。ただ居住性は悪くなるのが難点でしょう。

レインボーテント
画像元:https://kakushelter.com/shelter-product-information-2/rainbow-tent/

コンクリートボックス型核シェルター

このタイプ地上設置、地下埋設両方に対応でき、広さも収容人数によって変更できます。トイレ設備も常設されており、その他いろいろな娯楽設備も設置できます。費用はかかりますが地下埋設型のほうが安全性はより高くなります。

核爆発の閃光や暴風からも身を守ることができ、さらに安全を考えると爆発後少なくとも8日以上は滞在する必要があるので、このレベルの核シェルターがあれば、非常に安心でしょう。

レスキューブ
画像元:https://kakushelter.com/shelter-product-information-2/rescube/
コンクリートボックス型核シェルターの内部
画像元:https://www.shelter-plannning.com/地下核シェルターとは/

地下埋設型シェルター

地下埋設型シェルターは究極の核シェルターと言っていいでしょう。

核弾頭の直接的被害は半径2kmー3.5kmと言われています。このタイプであれば近距離で爆発してもなんの影響もなく長期間にわたって生活することができます。当然トイレ設備も完備しており、多人数で長期間滞在できる構造になっています。

ただし規模が大きいため予算や場所の問題があり個人で設置するのはなかなか大変です。

地下埋設型シェルター
画像元:https://kakushelter.com/

画像でも分かるように地下5~6mあたりに埋設するため上空から降り注ぐ核汚染物質の浸透も防ぐことが出来るため最も安全な核シェルターです。

価格、移設費用等は収容人数や設備などで変わるので明確ではありません。

地下埋設型シェルターの内部
画像元:https://netasite.net/archives/21445709.html

先日ストックホルム国際平和研究所が世界の核軍備に関する最新の報告書を発表しました。それによると今年1月現在北朝鮮が保有する核弾頭の数は10~20発、中国が280発です。

更にその他核保有国(米、露、英、仏、インド、パキスタン、イスラエル)の核弾頭保有数を合わせるとは全体で14,465発となっています。そして米、露で全体の92%を保有しているとのこと。

この数字を見ると決して安心はできないのではないでしょうか。いつ偶発的な核戦争が起きてもおかしくない現状と捉えても決して間違いではないでしょう。

自分の身は自分が守る以外にありません。そして核の恐怖から逃れるには核シェルターに避難する以外方法はありません。

出来ればコンクリートボックス型や地下埋設型が理想ですが、様々な問題もあり設置が難しい面もあるでしょう。ただ一度設置すれば半永久的、つまり子、孫の世代までも利用できる構造になっています。

それが無理であれば少なくともエアコン型核シェルターかテント型核シェルターがあれば当面の被害から逃れることができます。

一度家族全員で真剣に考える必要があるのではないでしょうか。