核ミサイルのボタンとは?核ミサイルの発射手順についてまとめてみました!

 最近では核ミサイルの脅威が日に日に高まっています。どこかの国が実際に核ミサイルを発射してしまうのではないかと不安に感じている方も多いかもしれません。ところで、核ミサイルはどのような手順で発射されるのでしょうか。実は映画のようにボタンを押すと発射、といった仕組みにはなっていないのです。今回は意外と知られていない核ミサイルの発射手順についてご紹介します。

 

核ミサイルの発射手順

 映画の中で、どこかの大統領が核ミサイルの発射ボタンを目の前にして、果たしてこのボタンを押すべきか押さないべきか、といったシーンを目にしたことがあるかもしれません。ですがボタンを押すだけで核ミサイルが発射できてしまうと、何かの間違いで押してしまうこともあり得ますし、もし盗まれでもしたら大変なことになってしまいますよね。そのため実際の発射手順はもっと複雑な仕組みになっています。

 

アメリカの発射手順

 アメリカでは合衆国大統領だけが核ミサイルの発射を決定する権限を持っています。これはアメリカでは大統領が軍の最高指揮官でもあるからです。そこで大統領が司令部にいない時でもすぐに核ミサイルが発射できるように、大統領の側には常に軍事顧問が随伴していて、一つの鞄を携帯しています。この鞄が核ミサイルを発射するために必要な道具であり、核のボタンや核のフットボールなどと呼ばれています。

 核のボタンという名前で呼ばれることはありますが、鞄の中に核ミサイルの発射ボタンは入っていません。鞄の中に入っているのは手帳、避難場所のリスト、緊急警報システムの使用方法の説明書、認証コードの4つです。手帳にはアメリカが実行可能な攻撃手段の一覧が示されていて、もし他国から攻撃を受けた場合、大統領はこの手帳を見て報復措置を行うかどうかを決定します。また避難場所のリストには、緊急時に大統領を受け入れることが可能な機密扱いの場所が記されています。

 もし大統領が核ミサイルの発射を決定した場合、国防長官がその命令の確認を行います。ちなみに国防長官の仕事は核ミサイルの発射命令が大統領本人によるものであるかを確認するだけのものであり、大統領による発射命令の拒否権を有するわけではありません。ですが核ミサイルは一度発射してしまうと世界に取り返しのつかない程の影響を与えることが予想されます。そのため、発射命令が本物の大統領からの正式なものであることを確認することはとても重要なのです。そこで使用されるのが核のフットボールの中にある認証コードです。国防総省と大統領との間で認証コードのやり取りを行うことにより大統領の本人確認が完了すると、発射命令がアメリカ軍に伝達されます。

 核ミサイルを発射できるスタッフは、安全上の観点から常に二人一組で勤務にあたっています。彼らはそれぞれ自分にしか開けることのできない金庫の中に認証コードを保管しています。核ミサイルの発射命令が出されると、軍から発射施設に無線で認証コードが送られます。二人のスタッフはそれらを書き取り、お互いのものと比べて正確さを確認した後、自分が保管していた認証コードと照らし合わせます。受信した認証コードと保管していた認証コードが一致すると、発射命令が正式なものであると判断されます。

 命令の正当性が確認されると、発射の手順が開始されます。スタッフは一人一つ発射用の鍵を持っていて、離れた場所に二か所鍵を差し込んで回す仕組みになっています。しかも一つの鍵を差してからすぐにもう一つの鍵を入れ、その状態を5秒間続けなければいけないため、一人で発射することはほぼ不可能だと言っていいでしょう。その後ダイヤル錠でミサイル発射用のコードを入力すると核ミサイルが発射されます。このダイヤル錠には組み合わせが約1700万通りあるため、正しい答えを知らないと発射することは不可能でしょう。

 

アメリカ以外の国の発射手順

 中国やロシアなども核ミサイルを保有していますが、その発射手順については軍事機密扱いとなっていて公開されていないようです。ソ連の時代には、潜水艦の司令官なども核ミサイルを発射する権限を持っていて、実際に何度か発射されそうになったこともありました。幸いその場にいた人たちの賢明な判断により、本当に核ミサイルが発射されることはありませんでした。もしも核ミサイルが発射されてしまっていたら、今の世界はどんなふうになってしまっているか想像もつきませんね。そのため、アメリカ以外の核ミサイルの発射手順も、おそらく今では万が一にも間違いのないような厳重な仕組みになっていることでしょう。

 

核ミサイルの発射手順まとめ

 今回は核ミサイルの発射手順について紹介しました。よくイメージされがちな発射ボタンは実際には存在しないため、意外に思われた方も多かったのではないでしょうか。何かのはずみで発射してしまったり、間違った命令が伝わってしまったりしないよう、核ミサイルの発射手順は複雑なものになっているんですね。しかし過去のアメリカ大統領の中にはミサイル発射用の認証コードを常にスーツの中に入れていて、病院に搬送された際に失くしてしまった人などもいたそうです。せっかく厳重なシステムを作っても、運用する人間がしっかりと管理できないのでは意味がありません。また現在のアメリカでは核ミサイルを発射するかどうかは大統領一人の判断に委ねられています。北朝鮮も状況は似たようなものでしょうから、決して核ミサイルが安全に管理しているとは言えないのが現状です。核ミサイルが実際に発射されてしまうことのないよう、今より安全なシステムが構築されることを願うばかりです。