核兵器禁止条約とは?日本は批准している?

日本は、米国より核爆弾を1945年8月6日午前8時15分広島に落とされた唯一の被爆国です。2016年5月27日米国大統領だったオバマ大統領が原爆を投下した国として、初めて広島を訪れて第二次世界対戦での犠牲者に向けて、追悼のスピーチを行い、アメリカが先頭に立ち「核なき世界を」主導するという内容の発言をしていました。

日本政府も核を保有しないことを約束し、国連総会の中でも核廃絶に向けて積極的な行動を起こしてきました。

しかし、昨年2017年7月に採択された「核兵器禁止条約」に対して、日本は参加もせず批准もしないという曖昧な行動をとっています。この日本政府の行動は広島、長崎の原爆の被災地の方々の大きな疑問と憤りが日本政府に向けられています。

 

核兵器禁止条約とは?

核兵器禁止条約とは、核兵器の全廃を目指した国際条約であり、2017年3月国連の本部にて、核兵器禁止条約の交渉する会議に124ヶ国が参加し、122か国が賛成し、採択されました。

しかし、この核兵器禁止条約に日本は参加していません。日本が核兵器禁止条約に批准しない理由を理解するために、まずは「核兵器不拡散条約=NPT(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear 」について先に説明します。

 

核兵器不拡散条約(NPT)とは?

NPTとは、1970年に核兵器保有国をこれ以上増加させない、認めないとの目的で正式発動されました。現時点ではNPT核不拡散条約に190ケ国と多くの国が加盟しており、国連の193ヶ国と比べても引けを取りません。

世界のほぼ全ての国が批准しているNPTでは、核保有国として認定された「アメリカ合衆国・イギリス・ソ連(現ロシア)・フランス・中国」が核を保有することを認められています。

現在は、上記5カ国以外に「インド・パキスタン・イスラエル・イラン・北朝鮮」も核を保有ないし開発していると言われていますが、国際的には認められていません。

 

日本は核兵器禁止条約になぜ批准しないのか?

冒頭で述べたように、日本は世界で唯一の原爆投下の犠牲国として、世界に向け原爆の悲惨さを後世に伝え、世界に原爆の恐怖・敗戦国としての戦争の悲惨さを発信し訴えて続けています。しかし核廃絶を提唱しながら、核兵器禁止条約には日本は何故、調印しないのでしょうか。その理由は、米国の「核の傘」に守ってもらうためです。米国は、NPTでは核の保有を認められています。そのため、日本は国際法上、合法的に米国の核の抑止力を享受できるのです。しかし、核兵器禁止条約では、核兵器国による核の非平和的利用を奨励・勧誘・援助を禁止しています。そのため、核兵器禁止条約に参加した場合、日本は米国の核抑止力を手放すことに繋がりかねません。

日本は、北朝鮮における核弾頭の開発や、ICBM(大陸間弾道弾)問題、中国との南シナ海の海洋開発等の問題など、数多くの脅威を抱えています。米国の「核の傘」の下にいることが北朝鮮や中国に対しての最大の抑止力にもなります。そのため、日本政府は何があろうと米国と常に歩調を合わしながら、矛盾と知りながらでも、米国側の行動に合わせ核兵器禁止条約には参加しないという方針を取っているのです。

こうした現状に対して、日本の多くの国会議員、地方自治体、特に広島、長崎市の組長等が政府に要望書を昨年の2017年7月7日にて提出した経緯があります。その内容は「日本政府が速やかに核兵器条項に署名し、国会が批准する事を求める」という意見書で、広島県の茂原市より、提出されました。

しかし、米国が批准しない核兵器禁止条約に日本は批准できません。日本は米国に対し日米同盟の再認識を再三行い、米国と共に強固な日米同盟を築きたいという希望があるからです。そのため、米国が署名しない「核兵器禁止条約」に日本が独自で署名し、批准する事はありえないのです。

 

核兵器禁止条約まとめ

日本は核兵器禁止条約の席にも参加せず、批准しない態度をなぜ取り続けるのか?

日本が核兵器禁止条約に反対していることだけを、クローズアップし、取り上げる市民団体やマスコミも多いです。しかし日本の立場上、日米安全保障上の日米同盟が最大のポイントであり、米国との強固な同盟を日本が節に望み行動しているのが現状です。

中国や北朝鮮の軍事力、核の脅威、万一の有事に備え、米国に日本国を必ず守って欲しいという考えから、日本は「核兵器禁止条約に批准しない」し、会議等にも参加しないという米国側向けのスタンスを取り続けているのです。

日本の外務省も有識者を集め検討会議を催していますが、これこそ国民に対してのパフォーマンスにしか見えないのです。

 

内閣総理大臣の安倍晋三総理大臣も、核兵器禁止条約について「条約が目指す核廃絶というゴールを共有はしているが、わが国独自の考え方とアプローチを異にしていることから」参加しないという立場を明確に報道陣の前でも発言しています。

 

一方で、日本は被爆国としての経験を世界の国へ向けて核廃絶を唱えられる唯一国でもあることも事実です。核兵器の根絶と世界平和の構築への架け橋となる役割を担い、日本政府が速やかに異なるアプローチを早急に精査し、核問題に関しては被爆国としての経験を元に、各国に先駆けイニシアチブを取り、核根絶の道筋を日本がリーダーシップを取ることを期待したいです。