核戦争が起きるとどうなる?核戦争の威力と勃発可能性をまとめてみた
当然、核ミサイルは二度と使われてはならないものですが、人類が作り上げる平和は実に脆いもので、いつ何が起きるかわかりません。
目を向けたくない最悪の結果のことも、きちんとその可能性を考慮しておく必要があるわけです。今回はもしも核戦争が勃発したらというテーマで、解説を行っていきます。
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核戦争の定義
核爆弾が落ちてしまうこと、それだけで「核戦争」と言うことはできません。もしそうであるならば日本に2回も原爆が落ちてしまった先の大戦も、核戦争ということになってしまいます。まずは核戦争の定義というのをきちんと理解しておく必要があるでしょう。
核に対抗できるのは核しかない
核戦争とは戦争を始めた国同士の”双方”が、核を持って相手国に攻撃を仕掛けることを言います。
核はこの世界で最強の兵器であり、一度敵国に使われてしまうと、核には核で対抗するしか他に手段がなくなります。そのため、一度でも核ミサイルが利用された瞬間に、相手国陣営も核ミサイルで反撃することが容易に想像できます。
結果として、核ミサイルの発射 = 核戦争 という方程式は現実的に成り立つことが多いことは否めません。
かつての大戦では、まだ核兵器の開発は完全なものではありませんでした。人道的には許せない話でありますが、日本に落とされた原爆も、アメリカ軍による実験的要素があったと言われています。
しかし、今は核の技術は良くも悪くも確立されてしまっています。核兵器を持っていない国にも、日本を含めて原子力発電所は存在し、その気になればいつでも核兵器を作ることは可能な状況です。よって、核による戦争が始まったら、取り返しのつかないことになる可能性が高いと予想されるわけです。
核戦争が勃発した後、地球はどうなっている?
では、実際に核戦争が起こってしまった場合、地球はどのようなことになってしまうのでしょうか。
青い空は見られない
核兵器の恐ろしさというのは爆発の被害だけにとどまらない点です。通常のミサイルなどは着弾地点から半径数十メートルの被害にとどまりますが、核爆弾場合、放射能汚染のことまで考えると、約100キロ以上に渡る影響が及ぶと考えられています。今、世界には3万発以上の核弾頭があると言われています。これらがすべて使われてしまうような核戦争が起きた場合、もはや人類が生き残る可能性はほぼないと考えられるでしょう。
ただし、シェルターや地下に避難できるという策が講じられていた場合は別です。事実、広島に落とされた原爆でも、爆心地に近いところにいながら生き残った人もいます。その人は学校の地下にいたそうです。
このように、地球の表面上の被害は甚大な物となってしまいますが、地下施設までが壊滅的になるかと言えばそうではありません。ただし、強い放射能汚染は何年も地上にとどまってしまいますので、青い空の下で人々が生活することは困難になるでしょう。
核戦争が起きそうになった過去の瀬戸際
実際に核爆弾を落とされてしまった広島、長崎の過去以外に、核戦争が勃発する可能性につながる危機というのはあったのでしょうか。
アメリカとソ連の冷戦による核戦争危機
人類の歴史というのは常に二面性を持っています。一方で平和や友好をうたいながら、もう一方では力を誇示しようと必死です。
まずはアメリカとソ連の冷戦による核戦争危機が挙げられるでしょう。第二次世界大戦終結後、両方の大国はどちらがこの世界を事実上支配するのか、社会主義と資本主義の違いの中で自らの正しさを証明しようと必死になっていたのです。実際に兵器を使った衝突があったわけではありませんが、相手への威嚇という意味での静かな戦争がはじまりました。それが冷戦です。
両国で激しく核開発と実験が行われ、何かがあれば双方の国を滅ぼすことができるという案に込めたメッセージ性を堅持しようと、争われていたのです。実際に使用はされませんでしたが、実験の段階で近隣住民や携わった兵士たちに放射能汚染の影響が疑われている事例があります。
インドとパキスタンによる核戦争危機
大国以外ではインドとパキスタンの核戦争危機が挙げられます。
核を持ちすぎた大国同士は、一歩間違えば地球を滅ぼしてしまうほどの核戦争の規模になる可能性を簡単に想像できます。
しかし、経済的にそれほど豊かではなく、切羽詰まった状態での両国の争いでは、使用される可能性が格段に上がってしまうのです。
人類を滅ぼすほどではないにしても、非常に危険な状態であることには変わりありません。
核戦争を描いた映画やアニメでイメージを膨らませる
核戦争をテーマにしたたくさんの作品があるので、いくつか紹介します。
猿の惑星
まずは「猿の惑星」を紹介しましょう。言わずと知れた大傑作で、今もリメイクが作られ続けています。第1作の舞台は核戦争によって人類が滅び去った後の地球というテーマでした。
ターミネーター
この映画はコンピューターによる核攻撃が原因となり、核戦争が勃発します。その未来から、暗殺用のアンドロイドが送り込まれてくるという内容です。
世界が燃えつきる日
『世界が燃えつきる日』は古い映画ですが、リアルな核戦争の物語です。上記2本はSF要素が強いですが、この映画は現実的に核戦争が終わった後の荒廃した地で、生き残る人々の様子が描かれています。
今後、核戦争が勃発する可能性
今後、核戦争が勃発する可能性はかなり低いかもしれません。
しかし、絶対にないと言い切ることはできないのです。
人類が自ら過ちを起こさなかったとしても、まさに映画のようにコンピューターが世界を支配するようになったとき、AIが人類を滅ぼすべきだと判断したとしましょう。
今、世界のコンピューターは人間が管理していますが、立場が逆転したときにどうなるかはわかりません。あらゆる可能性は常に残されていて、核戦争の危機は静かにこの世界にとどまっているのです。